下山氏が失踪する前日の7月4日のお昼近く、鉄道弘済会本部に下山氏殺害を予告する電話がかかってきた事実は他殺説の文献には必ずといっていいほど書かれています(『謀殺 下山事件』p299-300、『下山事件 最後の証言(増補完全版)』p56)。
「一言伝えておくことがある。今日か明日、吉田(茂)か下山かどちらかを殺してやる。お前が騒いだり人に言ったりしたら、お前も生かしておかない」。電話を取った人物(うちのブログでは仮に「伊藤博文」さんとしましょう)が名前を訊くと、「誰でもいい。いずれ革命のときがきたら、戦場で白黒をつけよう。その時になればわかる」と答え、電話は切れました。
非常に緊迫したやり取りです。ですが、電話をかけてきた人物はその前に次のようなことを言っていました(矢田氏も柴田氏も省略しています)。「もしもし、伊藤さんですか、伊藤ヒロブミさんですか、伊藤ハクブンさんというんですか」(『生体れき断』p76)。緊張感が一気になくなったように思うのは管理者だけでしょうか。電話を受けた人物が友人のいたずらだろうと思い、笑いながら「どちらでもいいじゃないか」と答えたのも無理もありません。この「どちらでもいいじゃないか」の後に続くのが、相手側の「一言伝えておくことがある」以下の言葉です。
このブログでは基本的に人名はイニシャルにするというルールですが(
「はじめに」)、そうするとわけが分からなくなるので今回は伊藤博文という仮名を使いました。実際の電話でも、名前の読み方についていきなり質問しています。ところでこの電話を受け取った人物に絡んだとても面白い記事が
事件関係ブログさんにあります。事件関係ブログさんのほうでも実名は伏せて、Mとしています。
- 2008/03/08(土) |
- 下山事件よしなしごと
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