この話題もやはりおなじみかもしれませんが、とりあえず。
下山夫人の実家は裕福で、そこから援助を受けながら下山家は女中を二人雇ってかなり豪奢な生活をしていた時期もあったようです。しかし終戦の年になって夫人の実家が戦災にあい、その後夫人の父親が病没すると今度は逆に母親を扶養しなければならない状況になってしまいました。大学在学中の長男と次男、高校の三男、中学の四男の4人の子供も養わなければならず、豊かな生活から一転、毎月約1万円の赤字が出るようになり(昭和24年の大卒の銀行初任給は3000円とのこと)、運輸次官、国鉄総裁という高い地位に似合わず、株、衣類、じゅうたんなどを売りながらの苦しい生活だったようです。実際知人には生活が苦しいと漏らしていました(『資料・下山事件』p483)。待遇のいい私鉄への転職や参議院選出馬を考えていたのもこの経済状況が大きく関係していると思われます(『下山事件全研究』p170、610、『生体れき断』p203-204)。
センセーショナルに報道されて様々な憶測が飛びかった下山事件の結論が自殺で、その原因のひとつが経済的困窮だったかもしれない、というのはあまりにも地味すぎて満足する人はいないかもしれませんが、事実は単純である可能性も十分にあるのではないかと思ったりもします。
- 2008/04/02(水) |
- 下山氏の精神状態
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