「血痕群の分布状況」で書いたように、ひとことに線路上に血痕が多数発見されたといっても、人血とは判定されたものの血液型まではわからないものもあったり、A型というところまでしかわからないものもあったりで、注意深く見ていく必要があります。
ではこの血痕群の血液型について、平成三部作はどのような事実確認をしているか見てみましょう。以下に血液型について言及している部分を引用します。
諸永裕司著 『葬られた夏 追跡下山事件(文庫版)』(朝日新聞社)p131
しかも、血液型は下山のものと一致した。
森達也著 『シモヤマ・ケース(文庫版)』(新潮社)p239
鑑定の結果、血液型は下山と一致した。
柴田哲孝著 『下山事件 最後の証言(増補完全版)』(祥伝社)p354
血痕の血液型は、もちろん下山総裁と同じAMQ型だった。
血痕群の血液型について、平成三部作の全てがたった一文のみで終わらせています。しかも、全ての血痕の血液型が下山氏のものと一致したかのような書き方です。特に柴田氏のものは問題があるのではないでしょうか。手っ取り早く曖昧な表現で事実確認を済ませた後、長い長い推理が展開されるこの血痕のくだりは、いかにも平成三部作らしいといえます。
- 2008/02/22(金) |
- 平成三部作
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0